2003年4月26日記
2003年5月1日改訂

コンピュータ支援地理教育システム

〜地理学・地球科学データアーカイブ高度利用システム〜

趣旨

デジタルアーカイブの高次情報を用いた高度利用技術を研究する。地理アーカイブ、地球科学データ等に対象を絞り認知科学と情報科学の最新の成果を応用してCAIシステムを構築する。

システムの概要

地理アーカイブのデータを中心に、地理学上の概念と各種のアルゴリズムを組み合わせて、3次元表示装置上に、教育用データを表示する。さらに、学習支援のための情報を学習者と双方向で交換する。


システム構築の目的
“地理情報デジタルアーカイブの構築と高度利用“プロジェクトで構築されるアーカイブデータの高度利用を主な目的とする。そのための基盤技術として” マルチメディア情報を処理対象としたソフトウェア開発支援“を研究する。アーカイブデータの利用例として、”教育支援システムの試作“を行う。その他、基盤技術とシステム試作を行う。


この研究の主な内容:
地図認識学習の支援を目的とした教育支援システムを開発し、その有効性の評価実験を行う。

システム構築の方針
利用データ:地理プロジェクトのデータを用いる。その他、地理学科・地球学科、学界等で流通しているデータなどを用いる。
意味概念:最初に地理教科書に現われる概念を扱う。その他、地理学、地球科学上の概念を扱う。
認知モデル:まず、小笠原課題の方法を用いる。その後で他の方法も検討する。
アルゴリズム:通常は手続き型グラフアルゴリズムを用いる、可能な場合は、グラフ書き換え系を用いる
設備:学術フロンティアで購入する3次元表示装置を用いる

システムの概要

基本機能:
形状概念(丸い、四角い、細い、太いなどの図形的概念)を入力して、意味概念(河川、山、谷、扇状地などの地理的概念)を抽出する。さらに、地質などの地形的概念から意味概念を抽出する。
入力:

地理データ(地形、地質、環境データなど)。(地理プロジェクト、地球学科等から渡される)

意味概念(河川、山、谷、扇状地など地理的概念)。(小笠原グループが検討する)

出力:

例:扇状地が色分けされた地形データ

形式:3次元表示

方法:

認識方法←小笠原グループが検討する。

プログラム←グラフアルゴリズムを応用する。記述言語はVRML,OPEN−GLなど(予定)(夜久グループが作る)

3次元画像表示装置を用いる。

システムのソフトウェア構成
システムは以下の部分システムの集合体である。

各システムの機能
概念抽出システム

入力:

地形情報、環境情報

出力:

意味概念付き地形情報(3次元表示装置)

 

概念表示システム

入力:

地形情報、環境情報

概念(河川、山脈など)

出力:

概念付き地形情報(3次元表示装置)

 

回答判定システム

入力

出題者:地形情報、対象地点

回答者:概念

出力

正誤

説明

学習者の回答を自動採点

 

俯瞰図表示システム

入力

概念付き地形情報

位置(マウス等)

出力

位置から見た地形(3次元表示装置)

 

データ形式変換システム

入力

地形情報(地図アーカイブデータ形式)

出力

地形情報(3次元表示装置用データ形式)

説明

3次元データ表示装置のための前処理

 

地質表示システム

入力

地質図

視点位置

出力

3次元地下地形図

備考

火山、地質など

 

空間情報表示システム

入力

地上空間のデータ

視点位置

出力

視点位置から見たデータ