2003年4月25日記

夜久竹夫

学術フロンティア
グループ研究課題

 

フロンティア名:デジタルアーカイブ・インフラストラクチャの構築と高度利用

 

グループ名:夜久・小笠原グループ

共同幹事:夜久竹夫・小笠原喜康

 

研究課題名と申請メンバー

マルチメディア情報を処理対象としたソフトウェア開発支援

(夜久グループ)

夜久竹夫(日本大学文理学部)

二木厚吉(北陸先端科学技術大学院大学)

足立暁生(東京電機大学理工学部)

土田賢省(東洋大学工学部)

山崎浩一(群馬大学工学部)

海野浩(神奈川工科大学工学部)

大蒔和仁(産業技術総合研究所)

 

教育支援システムの試作

         (小笠原グループ)

小笠原喜康(日本大学文理学部)

守屋政平(日本大学文理学部)

後藤範章(日本大学文理学部)

杉田公生(東海大学理学部)

岡本敏雄(電気通信大学大学院情報システム研究科)

守屋悦朗(早稲田大学教育学部)

植村憲治(都留文科大学文学部)

宮寺庸造(東京学芸大学学芸学部)

西野和典(大阪電気通信大学)

 

(注1)計画遂行に当たっては、両グループが共同して活動する。夜久は教育支援システムの試作にも参加する。

(注2)上のメンバーのほかにPD2名が参加する。PD1名は夜久グループに所属し、PD1名は小笠原グループに所属する。前半の2年間は夜久グループのPDは教育支援システムのソフトウェア開発に参加する。

施設・設備

主なグループ・研究設備

         3次元画像表示装置(交渉中)(2003年8月より)

                   スクリーン

                   制御用コンピュータ

                   端末用コンピュータ

グループ施設(2004年3月より)

         サーバ室(60平米)(夜久・小笠原グループ共同設備設置)

         ソフトウェア開発室(仮称)(30平米):夜久グループPD常駐

資料室(仮称)(30平米):小笠原グループPD常駐

各研究課題の詳細(申請書より)

 

(1)マルチメディア情報を処理対象としたソフトウェア開発支援

デジタルアーカイブ・インフラストラクチャが有効に機能していくためには、後述するような高次機能を継続的に実現していく必要がある。そのような高次機能は一般にソフトウェアシステムとして実現される。したがって、高次機能を迅速かつ簡便に実現していくためには、あらゆる情報形態に対してソフトウェアを簡便に開発できる仕組みが必要になる。本研究課題では、その仕組みを研究する。特に、ソフトウェアの開発過程やソフトウェアの動作を視覚的に(つまり、図的に)表示し編集できる仕組みを検討し、ソフトウェア開発に関わる労力の軽減を目指す。

 

(2)教育支援システムの試作

デジタルアーカイブの教育への応用として、本研究課題では、地図情報アーカイブを利用した地図認識学習のための教育支援システムを試作する。地図認識学習を題材として選んだ理由は、形状概念(丸い、四角い、細い、太いなどの図形的概念)から意味概念(河川、山、谷、扇状地などの地理的概念)を導出する学習の典型だからである。そこで、この題材を手がかりに、形状概念から意味概念を導出することを目的とした学習全般に関する教育対策システムの基本機能を探求していく。

この研究課題では、まず、地図認識学習の際に利用されている形状概念(図形的概念)と意味概念(地理的概念)との間の相関関係を分析する。この分析結果をもとに、地図情報アーカイブから形状概念と意味概念を自動抽出する機能を実現する。この機能は学習者の解答の正誤判定に利用される。最後に、学習者に問題を提示し正誤判定するシステムを試作する。

 

達成目標と年次計画(申請書より)

達成目標

 

教育支援システムの試作

マルチメディア情報を処理対象としたソフトウェア開発支援

3年目までの達成目標

 

地図認識学習で利用されている形状概念と意味概念を明らかにして、両者の対応関係を分析することによって、地図情報アーカイブから形状概念と意味概念の対応関係を抽出するための情報学的手法を開発する。

マルチメディア情報を処理対象としたソフトウェア開発支援システムの基本設計を行い、試験的なシステムを開発する。

5年目までの達成目標

地図認識学習に関して3年目までの分析結果をもとに、試験的な教育支援システムを開発する。

ソフトウェア開発支援機能に関して、3年目までに開発した試験的システムの評価検証を行い、その結果を下に実用的なシステムの設計と開発を行う。

 

 

                                                                                                           

年次計画

 

年度

教育支援システムの試作

マルチメディア情報を処理対象としたソフトウェア開発支援

2003年度

地図認識学習で利用されている標準テキスト(教科書)を題材に、形状概念(丸い、四角いなどの図形的概念)と意味概念(山、川、扇状地などの地理的概念)の対応関係を分析する。

マルチメディア情報(おもにテキスト、数値、画像が混在した表形式データ)の情報構造を表現し処理するためのグラフ文法モデル(各種情報を線画のような構造で表現するための数理的モデル)を設計する

シンポジウム開催

2004年度

地図認識学習に関して、形状概念(図形的概念)から意味概念(地理的概念)を自動的に導出する手法を設計する。

前年度に設計した文法モデルをもとにソフトウェアアニメーション手法を開発し、アニメーションツールを試作し評価試験を行う。

シンポジウム開催

2005年度

地図情報アーカイブから形状的情報(図形的概念)と意味情報(地理的概念)を抽出するためのソフトウェアを開発し、両者の対応関係を蓄積したデジタルアーカイブを構築する。

ソフトウェア開発支援機能の試験システムを実現し、試験運用を通してソフトウェア開発上の簡便性・効率性に関する問題点を明らかにしていく

 

中間報告と試験的公開

公開シンポジウム、システム機能の試験的公開

2006年度

地図情報アーカイブと形状的情報(図形的概念)と意味情報(地理的概念)の対応関係を蓄積したデジタルアーカイブを有機的に利用した地図自動解釈システムを開発する

ソフトウェア開発支援機能に関して、前年度の試験運用によって明らかにされた問題点を踏まえて、開発支援システムの補正を行う。

シンポジウム開催

2007年度

地図自動解釈システムを基盤とした地図認識学習支援システムを開発し、学習への適用可能性に関する評価実験を行う。

マルチメディア情報を対象としたソフトウェア開発支援システムを使用して前年度までに明らかにされた要求事項のいくつかを実現してみることによって、ソフトウェア開発支援機能の実証実験を行う

最終報告と公開

公開シンポジウムの開催、システム機能の公開