1.序

 Hichart(HIerarchical flowCHART language)は、構造的 プログラミング技法に基づいて開発された木構造型フローチャート記述言語の一つである。Hichart により記述されるフローチャートは、Hichartフローチャート(木フローチャート)といわれる。 Hichartフローチャートは、従来のGoldstein-neumann型のフローチャートにおける 基本処理記号と制御線をそのままにし、制御記号(反復と分岐など)を変えることによりプログラムの視認性 と記述性を飛躍的に向上させ、格段に理解しやすくなっている。Hichartフローチャートは、プログラ ムの階層木構造をそのままに反映するので、プログラムの全体構造が即座に把握可能である。同様に、モジュール 構造の記述と変更も極めて容易となった。さらに、他の多くの構造的フローチャート言語におけるような、フロー チャートの制御線と実線の制御の流れとの不一致がないので、プログラムの詳細なトレースと記述が容易であり、 またアルゴリズム(手順)のフローチャートだけでなくデータ構造図とデータフロー図も記述できるので、プロ グラム仕様のすべてが統一的に図形表示できる。
 以上より、Hichartは、プログラムの作成と維持に伴う労力を大幅に減らすことができる。なお、Hichart は、最初に制御記号として、反復記号を使用したフローチャート言語である。 この反復記号は、その後のフローチャート言語である(PAD,FFESD)に採用されて、 現在では非常にポピュラーなものになりつつある。
 Hichart入門では、Hichart記号に重点」をおいて説明する。

NEXT