PascalはALGOLをもとにして設計された言語でスイスのチューリッヒの連邦工科大学のN.Wirth(ビルト)教授
が1968年に設計し、1971年に発表したものである。
また、標準Pascalといわれているのは、1974年に発表された改訂版のことである。
現在(1986年)の時点では、Pascalは大型計算機だけでなく、パソコンのレベルでもかなり使われており、
広く普及している。
(1)読みやすい。
(2)構造的プログラミング言語である。
(3)名前を宣言する必要がある。(FORTRANには、暗黙の型宣言がある。)
(4)プログラムのバグ(誤り)を探し易い。
(5)文法が簡潔である。
(6)計算機用として優れている。
(7)欠点として、応用プログラムの移植は標準Pascalだと分割コンパイルできない。
(実際の処理系では分割コンパイルを持っている。)
計算機のモデル
例) 1)PROGRAM prog1(input,output);
2)VAR a,b,c : integer;
3)BEGIN
4) a:=60;
5) b:=120;
6) c:=b/a;
7) WRITELN c
8)END.
解説) 1)prog1(プログラム名)の始まりを示す。
2)このプログラムで用いる変数(この場合a,b,c)とその型(この場合整数)の宣言。
3)プログラム本体の始まり。
4)変数aに60を代入。
5)変数bに120を代入。
6)変数cにb/aの値(2.0)を送る。
7)cの値を表示する。
8)プログラムの終わり。
名前(変数名、プログラム名など)
A,B,・・・,Z,a,b,・・・,z,0,1,・・・,9(英数字)
$,@,#,・・・(特殊記号)
を用いる。
名前の基本的な形式
名前 = 英字{英字|数字}
長さは処理系に依存するが、8文字までならば、どの処理系でも大丈夫。
演算の優先順位
*,/は+,−に優先
優先順位が同じ場合は先の方が優先。
定数の記法
例) 6.37,6370,0.637E4,6.3700.0E-1
(6.37E4=6.37に10の3乗をかけた値)
例)
PROGRAM prog2(input,output);
1)VAR x,y,wa,sa,seki,sho : real;
BEGIN
2) READ(x,y);
wa:=x+y;
sa:=x-y;
seki:=x*y;
sho:=x/y;
WRITELN(wa,sa,seki,sho)
END.
解説) 1)使う変数名の宣言、この場合は実数。
2)入力装置からデータを2つ読んでx,yに代入。