2.Pascalの読み方

2.1 Pascalの歴史

2.2 Pascalの特徴

2.3 Pascalの読み方


2.1 Pascalの歴史

   PascalはALGOLをもとにして設計された言語でスイスのチューリッヒの連邦工科大学のN.Wirth(ビルト)教授 が1968年に設計し、1971年に発表したものである。
   また、標準Pascalといわれているのは、1974年に発表された改訂版のことである。
   現在(1986年)の時点では、Pascalは大型計算機だけでなく、パソコンのレベルでもかなり使われており、 広く普及している。

2.2 Pascalの特徴

   (1)読みやすい。
   (2)構造的プログラミング言語である。
   (3)名前を宣言する必要がある。(FORTRANには、暗黙の型宣言がある。)
   (4)プログラムのバグ(誤り)を探し易い。
   (5)文法が簡潔である。
   (6)計算機用として優れている。
   (7)欠点として、応用プログラムの移植は標準Pascalだと分割コンパイルできない。 (実際の処理系では分割コンパイルを持っている。)

2.3 Pascalの読み方

   計算機のモデル


例)  1)PROGRAM prog1(input,output);
    2)VAR a,b,c : integer;
    3)BEGIN
    4) a:=60;
    5) b:=120;
    6) c:=b/a;
    7) WRITELN c
    8)END.

解説) 1)prog1(プログラム名)の始まりを示す。
    2)このプログラムで用いる変数(この場合a,b,c)とその型(この場合整数)の宣言。
    3)プログラム本体の始まり。
    4)変数aに60を代入。
    5)変数bに120を代入。
    6)変数cにb/aの値(2.0)を送る。
    7)cの値を表示する。
    8)プログラムの終わり。

名前(変数名、プログラム名など)
 A,B,・・・,Z,a,b,・・・,z,0,1,・・・,9(英数字)
 $,@,#,・・・(特殊記号)
 を用いる。

名前の基本的な形式
 名前 = 英字{英字|数字}
 長さは処理系に依存するが、8文字までならば、どの処理系でも大丈夫。

演算の優先順位
 *,/は+,−に優先
 優先順位が同じ場合は先の方が優先。

定数の記法
 例) 6.37,6370,0.637E4,6.3700.0E-1
   (6.37E4=6.37に10の3乗をかけた値)

例)
 PROGRAM prog2(input,output);
1)VAR x,y,wa,sa,seki,sho : real;
 BEGIN
2) READ(x,y);
  wa:=x+y;
  sa:=x-y;
  seki:=x*y;
  sho:=x/y;
  WRITELN(wa,sa,seki,sho)
 END.

解説) 1)使う変数名の宣言、この場合は実数。
    2)入力装置からデータを2つ読んでx,yに代入。

練習問題