1.コンピュータ入門


1.1 コンピュータの歴史

 

17世紀  パスカルにより歯車による加算機械を作る。

     ライブニッツにより加算のくりかえしによる乗算器を作る。

1833年  バベジが解析エンジンによる算術演算を連続して行う機械を開発。

1944年  ハーバード大学のエイケン等

       世界で最初のリレー式計算機「ASCC−MARK−I」の完成。

1946年  ペンシルバニア大学のエッカートとモークリー

      世界で最初の電子計算機「ENIAC」が完成。(真空管18000本で構成)

  (事実上の電子計算機第1号の完成!)

1949年  世界で最初のプログラム内蔵方式の電子計算機「EDSAC」の完成。

       (1946年頃にフォン・ノイマンがプログラム内蔵方式を提案する。)

1951年  世界で最初の商用計算機「UNIVAC−I」を作成。

1960年  日本で最初の商用計算機「NEAC2201」(日本電気製)を作成。

 

 

 

1.2 コンピュータについて

 

   コンピュータというのは、大きく分けると、「ハードウェア」と「ソフトウェア」に分けることができる。

   ハードウェアとは
     コンピュータを構成している装置類のすべてのことをいう。例えば、家庭でも身近になっているパソコンでも、「ディスプレイ」・「キーボード」・「プリンタ」・「本体」などがこれにあたる。

   ソフトウェアとは
     コンピュータというのは、ハードウェアだけがあっても何もやってくれない。それを働かせるのがソフトウェアである。ソフト
ウェアの代表的なものがプログラムである。

 

 

 

1.3 コンピュータの構成

 

      コンピュータは次の5つの基本機能から構成されている。

(1)記憶装置・・・プログラム・データ・計算結果などを記憶する装置のこと。
(2)入力装置・・・プログラム・データなどを入力する装置のこと。
(3)出力装置・・・実行結果などデータを書き出したり、出力したりする装置のこと。
(4)演算装置・・・データに対して、四則演算などを実行する装置のこと。
(5)制御装置・・・記憶・入力・出力・演算装置を円滑に働くように制御する装置。


 コンピュータの構成図


 

 

1.4 コンピュータの特徴

 

コンピュータの基本性能:高速性、記憶性、汎用性、正確性

各種入出力装置:タッチパネル、イメージリーダ、光ディスク、ペン入力装置、グラフィックディスプレイ、ビデオプリンタ、OCR、OMR

 

 

 

1.5 プログラミング言語について

 

C言語はプログラミング言語(プログラムを記述するための言語)の一種です。私たちが計算の手順などをプログラムとして書いて、コンピュータに読み込ませると、機械はそれを解読し、その指示に従って自動的に働いてくれます。 プログラムは、私たちが「やってもらいたいこと」をコンピュータに伝えるための手段です。

現在、広く使われているプログラミング言語には

FORTRAN 数値計算の手順を表すのに便利な言語

COBOL   事務処理の手順を表すのに便利な言語

LISP    記号処理の手順を表すのに便利な言語

BASIC   初心者に覚えやすい汎用言語

C       細かい処理を記述するのに適した言語

等が有ります。

この内、近年、Cを使う人が多くなってきています。その理由としては、

UNIXの基本言語だから

実行速度が速い

小回りがきく

構造体を使用できる

豊富なライブラリを利用できる

があります。

 

 

 

1.6 フローチャート(流れ図)

 

 フローチャート(流れ図)は、プログラムの処理手順を理解しやすいように図に示したものである。

 フローチャートにもいろいろと種類があり、一般的なものにノイマン型フローチャートというのがある。 そのノイマン型フローチャートの基本処理記号や制御線をそのままにし、プログラムの視認性と記述性を飛躍的 に向上させて、格段に理解しやすくしたフローチャートに「Hichart」というフローチャートがある。

1〜10までの和を計算する処理を「ノイマン型」と「Hichart」のそれぞれ のフローチャートで記述する。

  (1)iに1をいれる。           i:=1;s:=0;
  (2)sに0をいれる。           REPEAT
  (3)sにiをたす。              s:=s+1;i:=i+1;
  (4)iに1をたす。            untl i=11
  (5)iが11になるまで(3)・(4)を繰り返す。

 

 
 
1.7 バッカス・ナウア記法
   これからC入門を進めるにあたり、構文化する方法としてバッカス・ナウア記法を用いる。
   バッカス・ナウア記法(BNF記法)というのは、J.W.BackusとP.NaurがALGOL60の構文を記述する 為に考えて出した記法である。
*約束ごと*
 
・  =   左辺にあるものを右辺のように定義する。
・  >   部分的に定義する。
・  |   または
・  .    定義の終わり
・ [x]  xまたは空
・(x|y) xまたはy(一つの単位として扱うために用いる。)
・”xyz” 終端記号xyz
・ 超名称  非終端記号
 
 
 
 
1.8 データの表現
 
コンピュータ処理の対象になるものをデータという。
データの単位には、ビット、バイト、ワードがあります。
・ビット
「0」または「1」で表せる単位で、コンピュータで取り扱う情報量の最小単位です。
・バイト
8ビットをまとめて1バイトといい、計算機内部の1文字を表現する単位です。これにより、256個の組合わせが可能となり、数字、アルファベット、記号などの基本的な文字を表現できる。
・ワード
一般的には、ある目的をもつ複数の文字からなるひとかたまりの文字列のこと。
 
 
補助単位
基本値として使う単位に接頭語を冠し、非常に大きな数や、小さな数を表すことが出来る。
・キロ
10の3乗(=1000)を意味する補助単位。ただし、情報処理の世界では、2の10乗(=1024)がこれに近く、1キロビットとは、1024bitのこと、1キロバイトとは、1024byte のことが多い。
・メガ
10の6乗(100万)を表す補助単位。情報処理では、メガビットは2の20乗=1024*1024=1048576ビットのことをさす。
・ギガ
10の9乗(10億)のこと。情報処理では、ギガとは、1024*1メガのことが多い。
・ミリ
10の-3乗(1000分の1)を表す補助単位。ミリ秒は1000分の1秒のこと。
・マイクロ
10の-6乗(100万分の1)を表す補助単位。マイクロセコンドは100万分の1秒のこと。
・ナノ
10の-9乗(10億分の1)を表す補助単位。ナノ秒はコンピュータ内部の1命令実行時間を表す時に用いられる単位。
 
補助単位

倍数

記号

名称

 

倍数

記号

名称

103

キロ

 

10-3

ミリ

106

M

メガ

 

10-6

μ

マイクロ

109

G

ギガ

 

10-9

ナノ

1012

T

テラ

 

10-12

ピコ

1015

P

ペタ

 

10-15

フェムト

1018

E

エクサ

 

10-18

アト

1021

ゼタ

 

10-21

ゼプト

1024

ヨタ

 

10-24

ヨクト

 
 
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