日本情報科教育学会 第3回全国大会

【パネルディスカッション】
“情報の科学”に期待されるもの

コーディネータ:土田 賢省(東洋大学 教授)

司   会:土田 賢省(東洋大学 教授)

パネリスト:

           渡辺 治(東京工業大学 教授)

           夜久 竹夫(日本大学 教授)

           中村 直人(千葉工業大学 教授)

           本田 敏明(茨城大学 教授)

           佐藤 義弘(東京都立東大和高等学校 教諭)

企画の趣旨:

 高等学校では、平成25 年度から「社会と情報」と「情報の科学」の2 科目の構成で普通教科「情報」の授業が開始される。 “情報の科学的な理解”に関しては、「情報の科学」にまとめられた形で、以前よりすっきりした印象を受ける。情報技術を作る側、活用する側、これらどちらの側になる者にも、高校時代に「情報の科学」を通じて、より体系的に、情報の基本概念、急速な技術進化や変化にも対処できる基礎や土台となる考え方が教えられるとの期待が高まる。しかし、例えば、高等学校学習指導要領解説情報編の「情報の科学」の目標の中で、「・・・ソフトウェアや処理手順の自動実行の原理を科学的に理解し、・・・」のような記述があるが、この中の“原理”だけに限っても、どこまで根元的に遡って説明するかは、人により解釈が大きく異なることが予想される。これは、「情報の科学」で何を教えるかの取捨選択、そしてどのように教えるかについても現場の先生方に委ねられ、多大な負担を強いることを示唆している。

 このようなことから,本パネルディスカッションでは,長年情報の教育・研究に携わり、教育界、産業界に優秀な人材を輩出しておられる先生方、情報教育を世界的視野で研究されている先生、実際に高校で情報科教育に携わり、その教材が高く評価されている先生、このような方々をパネラとしてお迎えし、様々な視点から「情報の科学」に期待されるもの、教えるべき重要な項目などについて議論していただきます。そして、この議論が「情報の科学」が多くの人の関心を集め、適切なサポートがなされるきっかけとなればと思います。